江戸時代の漆絵の盃です。 赤地に黒漆で、器の内外に植物の図を描いています。 植物の絵は可愛らしいもので、粘る漆をよく筆でさばいています。 植物は、購入時には「南天」だと聞いたのですが、萩か、マメ科の植物のようにも思えます。 あまり植物には詳しくありませんし、デザイン化されているので確定はしないでおきます。 どうぞご覧ください。 形は端反りの品格の高い器形。 酒杯にもってこいの大きさです。 よく使用されているため、器の見込みには「断文」（経年による細かなヒビ）が現われており、内側の絵は擦れて消えかけている部分が多いです。 また、縁に小さな欠け（画像1枚目）、高台の畳付きにスレが見られます。 どれもきちんと時代を経てきたものの証左と言えます。 漆絵を味わうなら、裏面の方がしっかりと絵が残っていますのでお勧めです。 古手の漆の器に特徴的な「塗りの刷毛目跡」が確認できます。（画像8枚目など） 明るい朱漆の色や器形から、江戸時代でも古い方に寄るものだと思うのですが、一まず確定を避けて「江戸時代」としておきます。 漆絵の盆・箱・椀などは、当方のコレクションの中核です。 おいおい手放しているのですが、どうも漆絵物は今一つ伸びなくて・・・。 ということで、今後を占うためにこの品を出品してみます。 江戸時代。 口径 11㎝。 高さ 4㎝。 高台径 5.2㎝。 重さ 40g。